雨垂れ


狐の嫁入り


今日も優しく風たなびき

雲無く晴れ渡る青空の下

雨は涙を涼やかに雫へと導いていますか?

立ちすくみ見えない気持ちを寄り添い合わせて

二人

徐に絶え絶えと言葉交わす

過去へゆるり

未来へゆるり

確かに流れ往く

今だけは時が止まるように

ひっそり祈っている

つぶやく言葉に凛とした意志を持たせ

手を伸ばせば届く距離でありながら背を向け合う

互いの間をスルリすり抜けていく心の重心

風はザワザワそよぎ足元を撫で

それを合図にそれぞれの前に進み

振り返る事は無く

その様子を湿った土だけがそっと見ていた



久々のお題更新です・・・・・・。

雨垂れとか今季節的に考えると寒すぎるのですが、思い浮かんだので作詩です。

この詩の中での二人には、一応現実に実際のモデルが居ます。

しかし、背を向けて全く違う正反対の路を選んだ二人は、金輪際二度と出会う事はありません。

しかし、その事は二人にとって決して悪い結末ではありませんでした。

もちろん、モデルになった二人も。

その二人のうちのよく知る一人にこの詩を捧げます。

丁度、狐の嫁入りの日の事でした。

読んで頂いて、ありがとうございました。