雨垂れ
狐の嫁入り
今日も優しく風たなびき
雲無く晴れ渡る青空の下
雨は涙を涼やかに雫へと導いていますか?
立ちすくみ見えない気持ちを寄り添い合わせて
二人
徐に絶え絶えと言葉交わす
過去へゆるり
未来へゆるり
確かに流れ往く
今だけは時が止まるように
ひっそり祈っている
つぶやく言葉に凛とした意志を持たせ
手を伸ばせば届く距離でありながら背を向け合う
互いの間をスルリすり抜けていく心の重心
風はザワザワそよぎ足元を撫で
それを合図にそれぞれの前に進み
振り返る事は無く
その様子を湿った土だけがそっと見ていた