惹く人

人はああだこうだと叫ぶけれど いろんな仮説が飛び交うけれど 本心はただ恐れていただけ もし私が――――― もし君が――――― それ以外何も考えられなかっただけ 巷の噂では語られているけれど 実しやかに囁かれ真偽無けれど 本心はただ怯えていただけ あの日々を―――― これからを―――― それ以外何も考えられなかっただけ ただ震えていただけ

あたまかず

「一人じゃないよ、みんながいるよ」そんな言葉をかけてもらうより 「一人なんだ、誰もいない」そう独りごちた方が、何倍も、何乗も、気楽に生きてられる

一対

マイペースを崩される それも凄い勢いで 普段の自分を殺される 一切の余裕も無く 好む静寂を狂わされる 手が付けられない 信じられない そんな事がまさか楽しいなんて やめてくれ頼むからこれ以上 個性ある特別として僕を蔑視するな 代わりなんてどこにでも幾らでもいる 特定の相手なんて一生いらない 生まれた時から対だとしても 対でなければ生きられなくても 僕はこんなの認めない 対でなければ役に立たないのであれば 存在したくない さぁ 一刻も早く この身勝手な僕など捨てて 新たな対を見つけるがいい 僕は決して君と一対になどなれはしない 許せ

ある人間の結論

疑う為に信頼するのか 信頼する為に疑うのか そんな風に考えるなら 面倒臭いと感じたなら 捨ててしまえ 謝罪が受け入れられない場所に 責任の取り方に形が無い場所に 居たいと願わない場所に 在る事で脅え怯む場所に 君が立つ意義など更々無い 生ぬるい期待や信用は 行動を縛り合い 言動を括り合い 有りの侭を殺すだけ 視線で張り巡らせられた傀儡人形などに 押し込められる謂れも筋も持ち合わせないだろう 幾らでも去り訪れればいい 例えそれが 君自身の誇りと気高さ程度にしかならないとしても 何故か? 愚問だ その為の命だろう

一区切り

いい加減ハッキリさせなきゃ 抜け出す為に必要不可欠な一区切りを 息をつく間もなく時は慌ててるけれど 翻弄されずに見極めをつけなきゃ とことんまで荒らし壊し掻き混ぜて 弁解も言い訳も捨てて 一区切り付けましょう 何も言わなくてもあなたには もうとっくに解ってる筈でしょう 言いたい事は何なのか 都合の悪い事に口を噤んでばかりでは 開けた視界は手に入らない事も 認めなさいよ いい加減 脅迫観念を以て 役を捨て唐突に舞台を降りても あなたは私に文句一つ付けられないのよ この一区切りの為に手段は厭わなくてよ 恰好を付けたいわけじゃないの 転がった私の首を嘲笑ってくれたって構わないの 一区切り 首から上だけの無様な私も 満面の笑みをあげるから