優涙

人はどうして人の為に流せる涙を持っているのだろう 自由な涙だとか都合のいい涙だとか そんな事しか思えない あぁ そんな私の為なんかに 泣かないで 憎んでも詰ってくれてもいい その方がどれだけ気楽か知れない どうか 私の為なんかに 泣かないで 哀れまれるのは嫌なんだ・・・ 悲しませるのは嫌なんだ・・・

大泣き

思いっきり泣いてる人を見た そう言えばこの頃全然泣いてないっけ 涙をボタボタ惜しみなく流して 大声で泣くあの人を見ていたら 気分がスカッとした 泣け 泣け もっと泣け 気が済むまで 声が枯れるまで ―――私の分まで 私とあの人は違う 私はあんな風に上手には泣けない ホラもうあの人は泣き止んだ セイセイしたかい? 代わりに泣いてくれたから 私もまた当分泣かないよ そんな素直に泣けないよ

ナミダ君

ごめんねナミダ君 顔をグシャグシャにして 泣いてるワタシは情けないけど 情けなくなればなる程 益々目から水滴は零れ落ちるワケで 慰めるように優しく優しく頬を撫でて地上に降りていくワケで あなたの止め方がわからないのデス・・・ それでもあなたが居てくれて良かったって 「ありがとう」をポツリ あなたが居てくれなければ 素直になれなかった あなたが居てくれなければ 正直になれなかった あなたが居てくれたから 強くなれたって気がする 泣きたい時にたくさん泣けるって 幸せなことだねナミダ君

涙は色の無い血

泣きたくも無いのに 泣きたくなるんだ そして 爪を立てて心を抉りたくなる 傷口から血が滴り溢れるように 双眼からは涙 泣き止みたいのに 泣き止めないんだ 止め処なく いつまでも そうやって いつまでも―――

涙の定義

今 ここで泣いたら気持ちは晴れるのか 泣けばどうにでもなるなんて一度も思ったこと無いわ 塩辛い水の味はもう飽きたわ 瞼を腫らすのはもうウンザリ 実は泣くのは大嫌いなの でもねあなたが悲しいのなら 泣きたくなくてもすぐに泣けるわ 枯れる涙を押し出して 今 ここで泣いて気持ちが晴れなくても 泣けばどうにかなるって一度位信じてみようじゃない
とても蒸し暑かったので、水系のテーマで詩を揃えようと考えていると、「雨」か「涙」かの二つに絞る事ができました。 涼しげな「雨」が本当は良かったのですが、「涙」系の詩が多く目を引いたので妥協して「涙」で集めました・・・。 涙って、色々な涙がありますね・・・たまたま今回は悲しい涙しか登場しませんでしたが、嬉し涙って言うのもありますよね。 そしてそれらは、肝心なここぞって時に出なかったり、予想だにしていない時に急に溢れ出したり。 本人の意思にそぐわず意外と勝手だったりもしますよね。 悔しながら、こればっかりは自分の気持ちなのだけれども感情のコントロール云々の理屈では言い切れない不思議さがあると思います。 人ってどうして涙を流して泣く事ができるんでしょうね・・・。 読んで頂いて、ありがとうございます。