矛盾

突き放して抱き寄せて 詰って労って 優しく厳しくして 否定の肯定をして 痛まない様に傷つけて 嘘を本当にして 真実はあべこべでうやむや 決して絶対は無い 論拠は妄想で 円形ではない真っ直ぐな螺旋階段を上る感じに似ている あれは そう 生きながら死んでいる私そのもので 起きながら夢を見るあなたそのものでもあった

制御

いつからか 素直になるという事が どういう事なのか解らなくなったみたい ホラどうしたの 笑いなよ 目から汗は流れ落ちないでしょう 嘘でもいいから 飾りなよ 本当に 心から精一杯 笑顔で顔を歪めなよ

何も考えてなかったの? 世界が終わるときのこと 消えてなくなるときのこと 何も考えてなかったの。 それが余りにも唐突で 自覚さえも出来なくて 誰にもいつかはやってくるって誰が決め付けたんだろね? 心の準備が必要なのにね。 受け入れようと拒もうと避けられないけどね? ここではないどこかへ逝く準備。 せいぜい考える位しか出来ないでしょ? そうねでもきっとそれで充分よ。 ・・・でしょうね

ほがらか

壁の傍らにもたれて独り微笑んでいる 嘘を吐かれようが 裏切られようが 自分にされて嫌なことは他人にはしない自分は押し付けない投げつけない蔑まない誓う誓う誓う そんな風な言葉で詰り切ったノートを 手を真っ黒に染めながらクシャクシャにしてビリビリに破いてパラパラと地面に落としながら 遠い昔を捨てる弱さに ひたすら笑みを浮かべている 被害者ぶらなくてもいいと言われたし 充分迷惑だと言われたし 今となってはもう何も自分を抑圧する意味は無い 最後のノートの切れ端が手から滑り落ちて 下に散らばったゴミ屑を気付けば足で踏みにじっている そんな穏やかな気持ちで 今を微笑んでいる

kill oneself

無性に殺したい奴がこの世に只一人だけいます そいつを殺せたらどれだけスカッとするか知れません 本当に大嫌いなんです ヤツさえ殺れればその後どうなったって構いません もうどうしようもない位憎いんです その気になればいつ殺してしまってもおかしくない距離に 手を伸ばすまでもない距離にそいつは・・・ ああそれなのに 一生どうしたって殺せはしない殺せはしない 殺れば周囲が泣きますから 誰一人からも思われてなんかいなければいいのに 早く自然に死ねばいいのに