詩を描く中でしか

愛する 死ぬ 勇気を持つ 戦う 叫ぶ 大志を抱く 簡単にはいかない 即座には出来ない でも 詩を描く中でなら 愛せる 死ねる 勇気を持てる 戦える 叫べる 大志を抱ける そして 詩を描く中でなら 変わらない現実に人目を憚らず嘆ける 詩を描く中でなら

私は知らない

貴方は知ってる ほんの些細で微かな出来事や文章や言葉からでも 共感して考えては涙を流し慈しみ敬い愛しむ方法を 貴方は知ってる

優計り

あなたが私の顔を好きでいてくれるなら 私はこのツラを傷付かない様に大切にしよう あなたが私の声を好きでいてくれるなら 私はこのノドが干乾びるまで歌い続けよう あなたがこの詩を嫌いでいてくれるなら 私はこの全身であなたに死ぬまで尽くそう

過ちの指摘

君の遠回しなその囁きが僕の耳の奥を貫通する 君のさり気無いその呟きが僕の胸の内を掻き乱す 何処かで聞く似た声にすら俯き同じ言葉にすら揺れる 何が悪い 君と言う 僕と言う 存在の 辿った道のりの 何が悪い と 言うのだろう

セカイ

誰の為に在るのか分からなくなってしまった 昨日の事の様に思い出したくない事の方が多くなった時 何もかもの意味が消え去る気がする 目に映るのが忌まわしい過去の産物ばかりになった時 立っていられなくなる気がする 自分の力で立っているなんて思えない方がいい 気付くと押し合いへし合い足は宙に浮いているかもしれない 押し潰されそうな感覚は慣れる方がいい 慣れないと人々の群れの外へ押し出されるかもしれない 疲れた身体を任せるにはここは少し狭すぎる 帰宅ラッシュの満員電車 人の波に揺られ揉まれて 私は私を人ごみに見失う あぁ何故 在るのだろう