クリスマス・イブにて

             サンタクロースを信じますか

             親だと分かっていても

             目には見えない物を信じますか

             何一つ確かな物はなくても

             私は信じましょう

             サンタクロースだけでなく

             愛や友情 何より心を

             信じなければそれで終わり

             どれだけ愛されていても

             愛されていないと思ってしまえば

             サンタクロースもいなくなる

             見える物だけが全てなら

             見える物だけが真実なら

             私達自身もいなくなる

             私は信じましょう

             サンタクロースがいつまでも

             心の中にいるように


             人知れず

             木に電球が巻きつけられる季節がやってきた

             もうそんな時期かと思いながら

             着飾った木の眩いコントラストに

             目を細めて微笑んでみる

             寒さが増す一方で

             空は蒼と橙のグラデーションに包まれて

             ゆっくりと夜が染み渡り始める

             耳を澄ますと

             冷風に乗ってリンとした空気が響き渡る

             静けさの中に

            そのまま溶けてしまいそうな

            つかの間のひと時


            

            舞い降りた白いそれらは

            私の目を白銀の世界へと誘った

            粉雪が舞うそこは

            いつもとはまるで違って見えた

            アスファルト一面を覆い隠す純白が

            余りにも眩しすぎて痛かったので

            私はその世界を壊そうと走り回った

            何も考えず走り回った

            今度は私の頭の中まで

            真っ白になった


           聖夜

           寒さは好き

           絶えられる 大丈夫

           全身の感覚が麻痺して

           ちょっとやそっとの怪我は気付かない 気にしない

           ヘッドフォンを耳宛て代わりにして

           夜の明るい街を鼻歌交じりに歩く

           誰も気にする人なんかいない

           今宵良い子はとっととおやすみ

           サンタを待って夜更かしをする悪い子も

           とうとう疲れておねんね

           黒をバックに光る星を見上げて

           ソリに乗った彼を探して手を振った


           12月25日

           誰の心にもサンタクロースはやってくる

           大切な人が居る限り 誰でも今宵は彼になれる

           物が大切なんじゃなく 気持ちが大切なんだ

           思いは伝わる

           どんな物を通しても浮き彫りになる

          「この思い誰に伝えよう 伝われば嬉しいな」

           サンタクロースが漏らしたひとりごと

           周りが幸せなら それがサンタの幸せ

           プレゼントに心を込めて たくさん込めて送りたい

           この世界に数え切れない程

           彼はどこにでも存在する

           もちろん私達の中にだって

           信じろとは言わないけれど

           私はそんな素敵なサンタクロースになりたい




更新が遅くなったので、少し時期が外れてしまいましたが・・・・。 よくもまぁ、こんなにクリスマス色の強い詩があったもんです! 自分で見ても驚きましたよ、これは。 こんなに書いた覚えは無かった筈・・・ですが・・・どうやら相当クリスマスに思い入れがあるようです。 サンタクロースの弟子入りは本当に狙ってますけどね。(!? 読んで頂いて、ありがとうございました!